絵物語「ジャックの箱庭」

箱に閉じこもっていたジャックの目に映る世界の姿。絵と文章でつづる人々の群像劇です。 

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◆ジャックの箱庭 01「踏切があがったら」

絵物語 01「踏切が上がったら」a

息子が教えてくれるまでは気づかなかった

新年の挨拶を神様より先に動物園のトラにした報いかもしれない
地元で有名な開かずの踏み切りにはばまれてしまった

リズミカルに「カンコン、カンコン」と警報機が鳴り
赤いランプが交互に点滅している
暫くして郵便配達員が私たちの横に並ぶ
息子は狭いベビーカーの中から警報機の音と同じリズムで
左右に体をゆすっている、とても上機嫌の様子だ
ふと息子は体をゆするのを止め、斜め上空を指差し私に何かを訴えかけてきた
私は、中腰だった体を起こし息子の指差すほうを辿る

警報機の音に気をとられていて分からなかったが
大きなそれは、踏み切りで電車が過ぎるのを待っている私たちへ
立派なお腹を見せつけるように、頭上をゆっくりと通過していった

横にいる妻は年の初めにいいものが見れたと喜ぶように
にんまりとした表情を浮かべている
息子は始めてみた大きなそれに興奮し
手足をばたつかせ、ベビーカーに固定された体を目一杯に動かしていた
口を開け何かをしゃべっている様だが警報機の音で聞こえなかった

電車はまだこない
電車に乗りたいわけでもないのに電車を待っている
なんだかフクザツな気分だ

でもまあいいか、とその時わたしは思った

隣の郵便配達員は業を煮やしている

電車が過ぎ踏切があがったら、息子に大きなあれの名前を教えてあげようと男は思った

絵物語 01「踏切が上がったら」b
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  1. 2010/06/13(日) 10:22:18|
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